\ 注文住宅を建てる前に知っておきたい /
フローリングの基礎知識
これから注文住宅を建てる方、『フローリングの種類』って把握していますか?

よくわからないけど、注文住宅なんだから好きな床材にできるでしょ?
と考えている方、要注意!
ハウスメーカーによっては対応していないフローリングもあるので、前もって頭に入れておくことが大切です。


フローリングは暮らしの快適さや空間の印象を左右する大きな要素。
住み始めてから後悔しないよう、種類や特徴を理解して慎重に選びたいですよね。
そこでこの記事では、4種類のフローリングの特徴を丁寧に解説していきます!
それぞれのメリット・デメリットも合わせて紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください!
大きく分けると2分類
まず、フローリングは大きく分けて
- 単層フローリング
- 複合フローリング
の2つに分類されます。


単層フローリングには天然の木材のみで作られた「無垢フローリング」があります。
複合フローリングには「挽き板フローリング」「突き板フローリング」「シートフローリング」の3種類が存在します。
- 無垢フローリング
- 挽き板フローリング
- 突き板フローリング
- シートフローリング
単層フローリング
単層フローリングとは、その名の通り1つの層(1枚の木材)で構成されたフローリングのことです。
「無垢フローリング」とも呼ばれ、天然の木材のみで構成された最もナチュラルな床材です。
無垢フローリング


無垢フローリングは天然の木をそのまま加工しているので、木の温もりや香りや自然な風合いをそのまま感じられるのが最大の魅力です。
杉、ヒノキ、オーク、ウォールナット、チェリー、パインなどの樹種によって色味や木目の表情、硬さなども様々。
価格も木の種類やグレードによって大きく異なります。
ナチュラルで温かみのある雰囲気が人気で、特に自然素材にこだわりたい方に選ばれています。


- 天然素材ならではの風合い
木材には調湿効果があるため、夏はサラッと冬はぬくもりを感じて快適。
素足で歩きたくなる心地よさ◎ - 木の香りを楽しめる
天然木ならではのやさしい香りが魅力。
リラックス効果があり、家にいながら森林浴気分を味わえる。 - 経年変化が美しい
年月が経つほどに色が深まり、味のある美しい風合いに変化。
傷や汚れさえも良い味になり愛着がわく。 - 修復・メンテナンスがしやすい
無垢材は傷がつきやすい素材である反面、直しやすい素材でもあります。
やすりで表面を削って再塗装したりと、自分でメンテナンスをして大切に育てていくことが可能。
- 反り・隙間・割れの可能性あり
木材には調湿効果がある反面、湿度の変化による伸び縮みが大きい。
乾燥によって反りや隙間、ひび割れが発生することも。 - 傷や凹みがつきやすい
柔らかく温かみのある素材である反面、物の落下やペットの爪による傷、家具を移動させた際の凹みなどが付きやすい。硬めの樹種を選ぶことで軽減可能。 - こまめなお手入れが必要
無垢材は水分や油分に弱いため、放置するとシミになったり表面のザラつきが発生。
やすりがけやオイル塗布など定期的なメンテナンスが必要。 - 施工費用が高い
標準仕様が複合フローリングというハウスメーカーが多く、無垢フローリングを採用する場合はオプションに。そもそも無垢フローリングの取り扱いがないハウスメーカーもあるので注意。
複合フローリング
複合フローリングとは、合板などの上に天然木の板やシートを貼り付けて仕上げた床材のことで、「合板フローリング」とも言います。
複数の素材を貼り合わせているため反りや収縮に強く、無垢材よりも安定性に優れています。
複合フローリングには主に
- 挽き板フローリング
- 突き板フローリング
- シートフローリング
の3種類があり、それぞれの特徴をご紹介していきます。
挽き板フローリング


挽き板(ひきいた)フローリングとは、突き板よりも厚い天然木(2〜3mm程度)を合板などの下地に貼り合わせた床材です。
無垢材の風合いを生かしつつ、合板の安定性を兼ね揃えたバランスのとれた素材と言えます。
無垢材と複合フローリングの良いとこどりをしたい方におすすめ。


- 無垢に近い見た目と質感
表面の天然木に厚みがあるため、見た目だけでなく天然木ならではの風合いや足触りも楽しめる。 - 経年変化を楽しめる
無垢フローリング同様、年月が経つにつれて色や風合いの変化を楽しめる。傷も愛着に。 - 補修・メンテナンスが可能
多少の傷や汚れであれば削ったり再塗装しながらメンテナンスしていくことが可能。 - 比較的変形しにくい
無垢フローリングと比べると温度や湿度による影響が少なく、反り・隙間・ひび割れ等が発生しにくい。
- 価格が高め
複合フローリングの中では一番高価。無垢フローリングと比較しても種類によっては挽き板フローリングの方が高くなることも。 - 傷や凹みがつきやすい
無垢フローリング同様、傷や凹みが付きやすい。物を落としたり家具の引きずりに注意。 - こまめなお手入れが必要
表面の無垢材は水分や油分に弱いため、無垢フローリング同様に定期的なメンテナンスが必要。 - 深い傷の補修が難しい
下地の合板が見えるほどの深い傷がつくと補修することは難しい。
突き板フローリング


突き板(つきいた)フローリングとは、合板などの下地の上に薄くスライスした天然木(0.2~0.3mmほど)を貼り合わせて仕上げた床材です。
表面には本物の木が使われているため、複合フローリングの安定感にプラスして天然木の見た目を楽しむことができます。
リーズナブルに天然木の見た目を味わいたい方におすすめです。


- 天然木の見た目を楽しめる
表面に天然木が使われているので、本物の木目を楽しむことができる。 - 変形しにくい
天然木を使用している割合が少ないため温度や湿度による影響が少なく、反り・隙間・ひび割れ等が発生しにくい。 - 比較的コストが安い
無垢フローリングと比べ材料費が安く、施工もしやすいためコストを抑えることができる。
- 経年劣化で剥がれやすい
表面の天然木と下地の合板を接着剤で貼り付けているため、経年劣化により剥がれや膨れが生じる可能性あり。 - 傷の補修が難しい
深めの傷がつくと下地の合板が見えてしまい目立つ上、削って補修することはできない。 - 天然木の風合いを感じにくい
天然木ならではの心地よい温もりや足触りは感じにくい。柔らかさもなく踏み心地が硬い。 - 表情に個性が出にくい
天然木を薄く削っているため木目の個体差が少なく、少しのっぺりとした印象に。
シートフローリング


シートフローリングとは、合板などの下地の上に木目柄のシート(樹脂フィルム)を貼り付けた床材です。
表面は印刷なので本物の木ではありませんが、最近では精巧なプリント技術によってパッと見では分からないほどリアルになっています。
一般的なブラウンの木目以外にも、タイル調やホワイトの木目柄など色やデザインが豊富です。
ちょっとした傷や汚れに強く、日々のメンテナンスを楽にしたいご家庭におすすめです。


- 価格が圧倒的に安い
4種類のフローリングの中で最もリーズナブルで、コスト重視の方におすすめ。 - 日頃のお手入れが楽
表面のシートは耐傷性・防水性が高く、日頃のお手入れがラクに。小さいお子さんのいるご家庭にピッタリ◎ワックスや - 種類やデザインが豊富
一般的なブラウンの木目調だけでも種類がたくさん。その他にも石目調やタイル調などカラーやデザインが豊富。種類によっては高級感も演出可能なのでクール系の家具との相性も◎ - 変形しにくい
表面に天然の木材を使用していないため、反り・隙間・ひび割れ等が発生しにくい。
- 質感や風合いは期待できない
見た目はリアルでも、天然木のような柔らかい質感や風合いはありません。木材のような調湿効果もないため、夏のベタつきや冬のひんやり感が気になることも。 - 無機質な印象
無垢材と比べナチュラル感や重厚感に欠けるため少し無機質な印象に。
広い範囲に貼るとパターンの繰り返しが気になることも。 - 剥がれや色あせ
経年劣化や掃除用品等の誤った使用によりシートの剥がれや膨れ、色あせの可能性あり。 - 補修が難しい
耐傷性はありますがシートの厚みを超える深い傷がついた場合には目立ちやすい。
一部が傷んでも部分補修が困難なため、張り替えになるケースが多い。
どれを選べばいいの?
フローリングの選び方には正解がありませんし、「絶対にこれがおすすめ!」というものもありません。
「予算・好みやこだわり・ライフスタイルに合っているかどうか」が重要です。



高くてもフローリングは絶対に無垢がいい!
おうちも家具も自然素材にこだわりたい!



メンテナンスをする余裕あり◎
何十年と大切に育てていきたい!
▽ ▽ ▽
「無垢フローリング」がおすすめ



無垢の風合いも諦めたくないけど、複合フローリングの機能性もほしい!



メンテナンスをしながら経年変化を楽しみたい!
▽ ▽ ▽
「挽き板フローリング」がおすすめ



無垢や挽き板には手が出せない…
けど天然木の見た目は楽しみたい!



床材はなるべくコストを抑えて、他の部分に予算を使いたい!
▽ ▽ ▽
「突き板フローリング」がおすすめ



ナチュラル系よりもスタイリッシュな家具やインテリアが好き!



小さな子どもがいるので毎日のメンテナンスが楽なもの一択!
▽ ▽ ▽
「シートフローリング」がおすすめ
まとめ
いかがでしたか?
それぞれのフローリングにはメリット・デメリットがありますが、毎日触れる部分だからこそしっかり選びたいですよね。
予算・家族の好みやこだわり・これからのライフスタイルをふまえて、「自分たちにとってちょうどいい」選択ができると理想的です。


これから注文住宅を建てたいと考えている方、または今現在モデルルームに足を運んでいる方は、
- どんな床材が基本プラン内なのか?
- 他にどんな床材を選べるのか?
といったポイントもハウスメーカー選びのチェック項目に追加してみてください。
そしてカタログだけで判断せず、可能な限り実物サンプルを手に取り、質感や印象を肌で感じてみることも大切です。
床材は見た目以上に、毎日の暮らしや心地よさに大きく影響します。
この記事がこれから注文住宅を建てる方の「フローリング選びのヒント」になれば嬉しいです。
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